人は経験や信念に基づいて行動します。エフィカシー、すなわち自己効力感を高めるためには、自分の信念や考え方をポジティブにする必要があります。今回は、エフィカシーを高めるための3つの手法について解説します。
エフィカシーを高める３つの方法
1. アファメーション（肯定的自己暗示）
アファメーションとは、自分に向けて繰り返し肯定的な言葉を発することで、心の中のネガティブな信念を置き換えるテクニックです。例えば、「私は十分に価値がある」「私は何をやっても成功する」といった肯定的な言葉を日常的に唱えることで、自分の心の中にそれを植え付けます。
2. 身体心理学の活用
身体心理学とは身体と心の関連を探求する学問です。
身体と心は密接に関連しています。リラックスした姿勢やスマイルを意識的にとることで、ポジティブな気持ちを引き出すことができます。逆に、肩をすくめて猫背になると、自信を失いやすくなることも。身体の動きや姿勢を意識するだけで、エフィカシーを高める効果が期待できます。
ハーバードビジネススクールの教授で社会心理学の専門家であるエイミー・カディの「パワーポーズ」研究によれば、特定の開放的な姿勢をとることで、テストステロン（自信や優越感に関連するホルモン）のレベルが平均で約20%上昇し、一方でコルチゾール（ストレスホルモン）のレベルが約10%低下するとされました。これは、エフィカシーの向上やストレスの軽減をもたらす可能性を示しています。
3. コミュニティやメンターのポジティブな価値観に触れる
人は周囲の影響を受けやすい生き物です。ポジティブな価値観を持つコミュニティやメンターとの交流は、自分のエフィカシーを向上させる助けになります。彼らの成功体験や考え方を聞くことで、自分自身も同じような成功ができると信じるようになるでしょう。
私たちの脳にはRASというフィルタリングシステムがあり、これが何に注目するかを決定しています。自分が重要だと感じる情報を優先的に認識するこのシステムの性質を利用すると、ポジティブな情報をより多く取り込むことができます。例えば、自分の成功や周囲の成功例に意識的にフォーカスすることで、エフィカシーを向上させる助けとなる情報を多く認識することができるのです。
変性意識を応用する
変性意識状態は、我々の心を開かせ、深い受容性を促進します。この状態では、通常の意識ではアクセスしにくい無意識に働きかけることが可能となります。その状態で行うアファメーションやウエイトトレーニング・パワーポーズなどの身体活動は、この無意識部分の信念や感情に積極的な影響を与えるツールとして機能し、自己の価値感や能力への信頼を高めることができます。
これらの活動を通じて得られる達成感や物理的な変化は、自己効力感を増強し、エフィカシーを高める効果があります。変性意識状態でこれらの活動を経験することは、深いレベルでの自己変容を促進し、エフィカシーの向上に役立つのです。
まとめ
総じて、自己効力感やエフィカシーを高めるためのアプローチは多岐にわたりますが、変性意識状態や身体活動を通じてこれを強化するという考えは、科学的根拠や実践的な経験に基づいて合理的であると言えます。
自分の中のネガティブな信念や考え方をポジティブに変える努力を続けることで、新しい挑戦や困難を乗り越える力が身につくでしょう。
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